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「はじめての自社出荷改善」 倉庫はみんなが繋がるコミュニケーションの場所 ①

2018.02.19

在庫出荷スペースの限界から新倉庫へ移転。物流倉庫での自社出荷体制は何を目指して、どのように作っていくのが良いのか?

グラニーレ

Profile

グラニーレのコンセプトは、『女性が選ぶ美容・健康ショップ』
注文件数:3,000件/月、取扱アイテム:健康食品、健康グッズ他、SKU数:1,500~2,000点、倉庫の広さ:約15坪。配送はすべてゆうパックかゆうメールを利用。
(2017年11月10日時点)

Shop

グラニーレプラス楽天市場店: https://www.rakuten.ne.jp/gold/granire-plus/
グラニーレYahoo!ショッピング店: https://store.shopping.yahoo.co.jp/granire/

BACKYARDCAFE TOYAMA 運用事例会 @D&DEPARTMENT TOYAMA  

People

河尻 裕子 氏(奥左)
企画や販売を行うフロント業務を主に担当。バックヤードと連携してお客様に「このお店で買って良かった」と思っていただけることを一番に考えて運営。

松崎 安里 氏(奥右)
5店舗すべての「受注処理」とお客様対応の「カスタマー」を担当。フロントがいつでものびのびと仕事が出来るようにバックヤードで支える。

聞き手:伊藤 良 氏(手前)
株式会社トークロア 代表取締役。EC運営5年、EC物流10年の新規事業アドバイザー、実践参謀。今回の倉庫移転プロジェクトに参画。

売上増加と共に在庫出荷スペースが限界に

伊藤
まず自社出荷改善のプロジェクトが始まる前の課題としては、順調に売上が増加されていたものの倉庫が在庫でいっぱいになって物流まで手が回らないということでしたね。
そこで会社として新倉庫への移転を計画され、それが物流倉庫改善のきっかけになった。ただ新倉庫でより良い物流体制をどのようにつくれば良いのか?ということに悩まれたのですね?

松崎
私たちの会社は、親会社が工務店を経営しているのですが、もともと工務店のショールームの仕事と、このECの仕事と平行してやっている時期がありました。物理的な私たちのスペースというものは社屋には無く、とりあえずお店を立ち上げて、とりあえず注文が入って、とりあえず発注をして、とりあえず来たものを置いて、、、

伊藤
とりあえずが多くないですか?(笑)

松崎
とりあえず送っての繰り返しで(笑)
有り難いことにだんだん注文も増えて、もう社屋がパンクしているような状態だったんです。

伊藤
このような課題を抱えながら、CROSSMALLさんにご相談をされて、このプロジェクトがスタートしたという経緯ですね。
上に記載しているのが、私がこのプロジェクトを進めるにあたって、ご訪問させていただいたタイミングです。そして、下に記載しているのが、グラニーレさんが自主的に改善をされていた項目です。大きな楽天のセールがあったりする中で河尻さん、松崎さん、いわゆるグラニーレ様がされた改善の記録です。トータルでだいたい5ヶ月ぐらいのプロジェクトですね。

伊藤
まずは、ご訪問1回目から2回目の間に何があったのかというところをお話していきます。
まずこれが引っ越し前ですね。

伊藤
こんな状況でしたね、最初は。見られるのは嫌ですよね?

河尻
そうですね。。

伊藤
もう倉庫がパンパンになっておられるところ、これが5月ぐらいですね。
新倉庫に行こう!と決まり、その時どうでしたか?
お買い物マラソンと一緒の時期だと言ってましたね。

河尻
引っ越しのタイミングがうまくつかめなくて。一日でやるのか、何日かかけてやるのか、マラソンが始まって出荷もあるときに、いつやろう?というのをちょっと悩みましたね。

伊藤
この時、ものすごく大変じゃなかったですか?


河尻
引っ越しの後、通常業務に加えて通常の出荷を当日終えられるようになるまでに4〜5日ぐらいかかりました。通常1人でやっているのですが、その時は5人がかりで発送していましたね。

伊藤
通常1人のものを5人がかりで?

河尻
5人がかりで。。

伊藤
商品を探せないみたいな感じだったんですか?

松崎
もう「あれどこに積んだっけ?」とか「あれ持ってきてないかもしれない」とかそういうことの連続で、当たり前にやっていたピッキングが全然出来てない状態でしたね。この時は。

 伊藤
これを聞くと、皆さん物流改善をやりたくなくなったと思うんですけどね(笑)


伊藤
そんな大変な引っ越しがあって、その時最初にお話させていただいたのが、「どんなレイアウト組みますか?」という話で、「一筆書きで組むのが一番無駄がないですよ」ってお話をしました。

 

100%を目指さない自社出荷の環境作り

伊藤
あとは、「すぐに100%を目指すのではなく、変化に対応した方が良いですよ」というお話をしたのですが、これに対してはどうでしたか?

松崎
私が思ったのは、大変な環境から新しい倉庫が出来て、大きな棚が出来て、スペースもいっぱい出来てという夢でもないですけど、やっと叶ってこれで全てが、倉庫さえ新しくなれば何でもうまくいくんだと思ってきたところ、全然そうではないということに直面しました。
どうしても100%のものとか、すぐに使えるようなことばっかりを求めていたので、この変化に対応出来る環境ということを教えていただいたときに、こういった柔軟な考え方があるんだなって思いました。

伊藤
やっぱり、物流改善に慣れていらっしゃらない方が始められる場合は、どうしても最初から手っ取り早く改善を進めたいと思いますよね。
ここにも色々棚を書いてありますが、一番左にあるのはスチール棚ですね、最初こういうのを買われたかったんですよね?

河尻
そうなんですよ。これ買いたかったんです。

伊藤
それで、「そんなのいらない」みたいな話をしたら、こいつ何しに来たんだみたいな顔で見られましてですね(笑)

河尻
「本当にいらないの?」みたいに社長からも念を押されました。

伊藤
あ、そうだったんですか?その時に僕もいらない感じになりかけたんですけども(笑)
一番右。これ「ダンボール棚」って僕ら呼んでいますけども、意外と物流会社ってこういうの入れてるんですよね。一個、何百円のね。それぐらいでしたよね?

河尻
そうですね。

伊藤
買われて、使いづらかったらやめればいいんでね。

河尻
最初は5個ぐらいちょっと買ってみようかなって思って。

伊藤
5個って(笑)、あんまり僕のこと信用してなかったんですね。

河尻
ちょっと使い勝手がどんな感じなのかと、あとは自社の商品にフィットするかどうかがわからなかったので。

伊藤
そうですよね。最初からカチカチの100%のものは出来ないと思いながら少しずつ改善を重ねていくというのが物流改善には大事だと思っております。
そして、引っ越し直後ですね。

伊藤
あんまりさっきと変わらない気がしますけれども。アドバイス効いてますね、5個じゃなくなってますからね。しかも、凄い!明らかに2m40cmぐらいありますよね、これ。

河尻
とりあえず組み立てて置いてみたっていう状況です。

伊藤
引っ越しの時大変ですもんね。

河尻
そうなんですよ。日が暮れるまでに、モノを中に入れるっていうのがこの日のゴールだったので、とにかく外に山積みになっていたので、入れることに夢中で。とにかく中に入れたって感じですね。

伊藤
本当に河尻さんとは、メッセンジャーでずっとやり取りをしていて、これが次の2回目の訪問の前に送られてきたんですけど、ちょっと行くの嫌になったんですよね。

河尻
ひどい!

伊藤
あ、ごめんなさい、ごめんなさいね。「あ!こうなっちゃったか」みたいなね。そんな感じでございました。
それで、その時にお話させていただいたのが、「捨てる」ってことを心情的にちょっと厳しいかもしれないけど、モノが多すぎなので、いらない備品とか家具とかそういうのを捨てましょうと。そして、そこからたくさんある商品とか備品をちゃんと分類。1,000あるものも5つの分類で整理してみれば200個ずつですよね?という形でやってみましょうという話をして、実際やっていったんですよね。どうでしたか?捨てられました?

河尻・松崎
そうですね…。

河尻
「捨てる」といいますけど、うちの場合、動いていない商品がすごく多くて、皆さんも捨てるって言われて、商品は捨てれないって思うんです。でも、伊藤さんには捨てろって言われるし、商品で仕入れてお金払っているものなので捨てられないっていう葛藤があったときに、スーパーセールがあったので、そこで安く販売したんです。

伊藤
在庫消化の方をされたんですね。それで不良在庫を?

河尻
減らしましたね。最終的には。

伊藤
なるほどですね。あとは、グルーピングをして、優先順位の高いものから手を付けていくんですよね。なので、売れ筋商品からやったほうが、やっぱり物流の改善は進みますから。場所なんかも作業エリア・保管エリア・その他みたいな分類で。「モノを減らせば、そもそも管理が無くなりますよ」という内容ですね。

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