設定面や運用面で不安がつきまとう自動処理。ついにヤッホーブルーイングバックヤードが受注処理の自動化に踏み出す。取り組み2ヶ月で見えてきた自動処理のイメージとは?
1996年設立、国内最大手のクラフトビール製造・販売企業。「ビールに味を!人生に幸せを!」をモットーに、「よなよなエール」をはじめとしたバラエティ豊かなエールビールを販売。楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーを10年連続で受賞。
よなよなの里 エールビール醸造所(本店): http://yonasato.com/ec/
よなよなの里 エールビール醸造所(楽天店):https://www.rakuten.co.jp/yonayona/
望月 卓郎 氏(ニックネーム:もっちー)(左)
思いやり隊/UNIT Director。ヤッホーブルーイング通販事業スタートメンバー。縁の下の力持ちとして、通販チームのまとめ役。
鈴木 さおり 氏(ニックネーム:さんのみや)(右)
思いやり隊。通販受注担当。新卒入社2年目ながら受注処理フロー改善などを次々実行中。お酒大好き。
聞き手:土居 真人
CROSSMALL開発サポート 統括MGR
● 受注自動処理機能を今年9月からスタートされていますが、自動処理の存在をご存知だったにも関わらず、それまで導入に至らなかったのはなぜですか?
望月
長く通販をやってきていますので、他店さんに沢山知り合いがいます。みなさん少人数で非常に効率よく自動処理をされていることも知っていて、「凄いな」とずっと羨ましかったのですが、弊社はずっとこの流れでやってきたということもありますので、途中で変えることがなかなか難しかったんですね。
例えば、年度の波の山があって、山にあたる繁忙期に導入するのは難しいことから、年間でやれる時期が限られてしまうということがあります。
また、メンバーもなまじ何年もやっていますので、今までのやり方がありますし、自動処理そのものに対しては、決済システムに直結していることもあって「大丈夫かな?」と、とても慎重になっていたのかなと思います。
● 繁忙期、一番凄い山が来るのは父の日ですよね。ちょうど今の時期が色んなことに着手出来るタイミングなんですかね?
望月
そうですね。
ビール屋なので、夏場とお歳暮、お中元、あと父の日あたりが繁忙期でして、お歳暮の時期を除くとこの9月から11月ぐらいが次の年の色んなことを考える時期ですね。
● そこに鈴木さんが切り込んで行ったわけですね?
鈴木
はい!
● 実はこの受注自動処理を、入社2年目の鈴木さんが担当されています。自動処理って何が出来るんだろうか?というところからステップを踏んでいかれましたが、結局のところ鈴木さん的に「自動処理」とは何でしょうか?
鈴木
一言でまとめますと、「注文の自動振り分け」だと思っています。
● CROSSMALLの通常の取り込みは「注文確認」に全て入ってきますが、この入ってくる手前で「自動処理」という機能が走って、最終的にはそれを振り分けるというのが凄くわかりやすいイメージですね。
● 振り分ける際の設定に関しては、「条件」と「処理」この2つだけで、どういう場合にどういう処理をするかの組み合わせ方で自動処理を決めます。
● 例えば、「条件」と「処理」という機能がありますが、「条件」の設定一つでも入ってくる注文の○○店とか、注文の日時や支払い方法な ど、どういう支払い方法で入ってきたときに、どういう処理をするか?という条件と処理の組み合わせで自動処理の設定をしていくというイメージです。
● 実際に自動処理で出来ることは沢山ありますが、鈴木さん、どこから着手すればいいのでしょうか?
鈴木
私も最初は本当に「何をすればよいのやら」と思っていたのですが、一番簡単に見いだせるような何かで受注が楽になるということから始めるのが良いと思っています。
● そうですよね。手順としては、今の受注処理フローを書き出して、更に理想的なフローは何か“ゴール”を書き出して、そのギャップを埋めることが理想ではありますが、現実的にはこれを一気にやろうと思うとかなり難しいですね。
鈴木
そうですね。フローを作ることは凄く難しいので、「じゃ、今何を解決したいかな?」といったところで実際に起きたミスをきっかけに取り入れました。
実は、NP後払いの手数料を自分達の手で一括処理していたのですが、間違って送料を上書きしてしまうというミスが発生したのです。気付いて修正したのですが、その修正がさらにミスを招いてご迷惑をかけてしまったという出来事がちょうど自動化を考えていたときに起きました。
そして「1つ簡単なところから課題を解決しよう!」ということで、手数料の自動処理に取り組むことになりました。
● ステップとしてはフローから落とし込むのではなく、まず目の前の課題で「これ何とかしたいよね」というところからスタートしていくというのが凄く現実的ですね。